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SDA王滝クロスマウンテンバイク42km(2019)を完走するまでのお話

Posted on Sat 22 June 2019 ( 2020-09-17 update ) in bike

リベンジSDA王滝42km

2017年にセルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝 クロスマウンテンバイクに初参加。そして、苦渋を嘗めました。

大げさでした。実際のところは「SDA王滝クロスマウンテンバイク42km(2017)を完走できなかったからって悔しくなんかないんだからね」といった感じです。

単純に準備不足、経験不足なだけだったんですが、2018年5月にSDA王滝20kmの完走を経てリベンジする機会を得ました。初回はひとり参加、二回目はふたりに増えて、今回は3人になりました。イベントに参加できることもさることながら、一緒に走ってくれる人が増えてきて、とても楽しい。本当に励みになります。

いま一度過去の失敗を振り返りつつ、前年にSDA王滝20kmを走ったJamis Dragonslayerにもろもろの準備を行なっていきました。

29インチホイールに変更

Jamis Dragonslayerが採用するタイヤは、VittoriaのCannoli 27.5インチの3.0幅。ホイールはFormulaのBoostハブにWTB Scraper i40 TCS チューブレス 27.5 リム。ちなみにi40だけあって結構な幅広リム。チューブレスにしてやるとしなやかに路面の凹凸に馴染んで乗り心地はとてもよくなるんですけどね。やっぱり重い。登坂を重視するならちょっとしんどいのです。パワーで押し通せないなら適切な軽さのホイールに変更ですね。

26インチより27.5インチだし、27.5インチより29インチの方が走破性は高い。多少の重量増であっても路面の凸凹を乗り越えていくためにも王滝の林道では29インチを選びたい。27.5+のセミファットから走破性を落としたくなければ外周がほぼ同じ29インチホイールに換装するのが一番でしょう。

今回は、Fulcrum Red Passion 3 (フルクラム レッドパッション3)の29インチホイールを選んでみました。

Red Passion 3はトップグレードのホイールではなく、ミドルくらいでいいのかな。ロードバイクでいうところのRacing 3くらいの位置をイメージしてます。セット重量は1535gで2.0から2.5幅のタイヤに対応。いまどきはかなりワイドリムになってますし、リムの設計はちょっと古いですよね。それと空気圧が2.0BARちょいが上限なので3BARでアスファルトも走れるぞ!なんて使い方は難しいみたい。今回のように未舗装路を走るだけなら2.0上限でも全く問題なしです。

タイヤはMaxxis Ikon 29x2.2 3C/EXO/TRを選びました。正直タイヤの良し悪しがまだよくわかりませんが、舗装路にも向いたパターンを選んでいます。王滝はそれほどドロドロズブズブになるとは考えにくいのでこのくらいが妥当なところかと。

とにかく軽く仕上げたかったのでチューブレス化も実施。折角チューブレスレディなんですからやらない手はありません。シーラントはEFFETO MARIPOSAのCaffelatex。回転するとぶくぶく泡立ってタイヤの中を満たしてくれる予定です。すでにセミファットタイヤの方で使ってみて良好なので採用しました。

王滝に行くまでに舗装路で走ってみましたが想定通りの軽快な走りを確認できたのでいい感じ。

27.5+と29はコンパチ運用が主流になっていくんでしょうか。Boostハブで揃えつつホイールを用意できたのでしばらくはいろいろ遊べるのかなと考えています。

フロントシングルからフロントダブルに変更

これまでフロントシングルでSDA王滝に挑んてきました。毎度感じるのはギアが足りないこと。もちろん力強い筋力があればどんなギア比だろうと登れるのですが、ケイデンスを高めに軽快に登るにはちょっと足りない。

Jamis Dragonslayerの初期装備はフロント32tでリア46t。ギア比は0.7です。リア12速化して最大50tにしてギア比0.64なんて選択肢もありますが、フロントシングルに固執するより、フロントダブルにする方がよかろうという事でクランクの変更を検討。調べてみたらFC-M7000はシングルとダブル共用なんですね。よくよくみてみたらインナーチェーンリングを取り付ける穴がついてました。

ならばと手配したのは24t。一番小さいチェーンリングを躊躇なく選びました。サービスマニュアルだとスペーサーなしでそのままつければいいみたいなのですが、どうみても元々ついていた32tとの隙間がない。そして気づきます。「あぁ、フロントシングル用のチェーンリングはダブルの2枚の中間に位置するようにオフセットされているのか」と。

あれこれ考えた結果、常用はフロントシングルの32tなので、フロントディレーラーは取り付けせずに手動変速することにしました。つまり、インナーチェーンリング24tのみを取り付けにすることにしました。インナーチェーンリングの取り付けには通常のチェーンリングボルトではスペーサーを挿入した分短いので長めのもので取り付けます。結果、本来よりもチェーンラインが内側に入る事になりますが、29x2.2タイヤでも干渉せずにクランクを回せたのでよしとします。

また、フロントダブルにするとリアは本来42tが最大ですが、FD変速はしないし大丈夫だろうとフロントシングル用の46tそのままで運用。シマノの推奨からは外れますが一応動作してました。これで24tx46tとなりまして、ギア比0.52まで確保できました。これなら登れるだろう!

王滝村に向かい前日受付

もろもろの準備を済ませて、いよいよ本番です。

今回は3人で参加ですので事前に自転車の積み込みをやってみました。自転車3台乗るには乗るもののちょっと手狭でした。日産セレナの3列目シートはもう少しなんとかならんものでしょうか……。かなり積み込みロスしてます。思案の結果、無理せずセレナ2台で行く事にしました。セレナのリアハッチはキャリア取り付けできないし思いの外使い勝手悪い……。

6月8日の8:00に川崎市内に集合。あらかじめ積んでおいた自転車以外の荷物を積み込んで出発します。用賀から首都高速に入って新宿線経由で中央自動車道。途中のサービスエリア・パーキングエリアに立ち寄りつつ、運転手を交代しながら王滝村に向かいます。途中で食べたお蕎麦屋さんのお蕎麦はなかなか美味しかった。さすがそば街道です。

今回に限って、いつもの元橋から王滝村までの道が通行止めになっていたので、木曽の桟交差点から王滝村に向かいました。ほか、これといったトラブルもなく15時には王滝村に到着。

松原スポーツ公園

松原スポーツ公園に到着したら、さっそく受付ですが、駐車場にクルマを停め、公園にくだりたった瞬間の「来たぞ!」感はたまりませんね。とてもテンションが上がります。

受付はアンケートを事前に記入してきたこともあってスムーズに完了。今年はちゃんと受付時にTシャツ貰えた。2018年はTシャツは後から送ると言っていたけど結局送られてこなかった。

受付が終わって15:30ちょい。競技の説明会が16:30ですから1時間近くあるので、ゴールである氷ケ瀬の方に下見に行ってみる事にします。事前にゴールの様子をインスペクション。大事です!とか言いながら、単純にみんな自転車乗りたくなっちゃったってやつですね。

ぶらぶらと走り、氷ケ瀬付近を散策して、予定されていた時間をちょいと過ぎたくらいに松原スポーツ公園に戻り、コースの説明に耳を傾けます。相変わらず見えにくいスライドを眺めつつ、説明を聞いてみたところ難易度は低めの印象です。これまでに走ったことのないコースが一部採用されているので楽しく乗れそうです。

20kmおよび42kmの説明を聞いたら、そそくさと会場を後にして、滝越地区にある旅館三浦屋さんにクルマで向かいます。さすがに100kmのお話を聞いても仕方ないし、翌日のレースの支度もしないといけないし。

滝越地区は松原スポーツ公園から約11kmの距離にあり、2018年の豪雨で接続する道路が崩落。復旧までの間は滝越地区住民みなさんが避難を強いられておりました。復旧は2019年の春になってから。宿泊先である三浦屋のみなさんも例外ではなく、帰還早々にお世話になる形になりました。

三浦屋さんに到着したら自転車のセットアップです。ホイールの回転やタイヤの空気圧、ライトや配布されたゼッケンの取り付けなどを陽が残っているうちに作業をしてしまいます。

作業が終われば、お風呂と食事。軽くビールをいただいてリラックスしたらお布団敷いて就寝です。22時前には同宿の皆さんもおやすみになられておりました。

SDA王滝42kmスタート

朝5時の少し前には起床。早い人は4時前には起きて食事をはじめていたようなので、やっぱり気配で起きてしまいます。気が高ぶっていたのか、身体は寝ていても頭は起きていたような気がします。微妙な寝不足感。ぼーっとする徹夜にありがちなのはなかったので休めていたはず。

5:30、朝食をいただいて、42kmスタートに向けて支度を開始します。当初は3人とも42kmの予定でしたが、二人は都合により20kmに変更。今回もひとりぼっちの王滝42kmとなりました。

6時前には朝食を終えて、トイレに行きつつ着替えを済ませます。

2本のボトルにのうち、750mlには混ぜ物なしの水。暑い時など途中でかぶれるようにただの水。小さめの500mlの方にはアミノバイタルのクエン酸チャージウォーターの粉末を用意。BCAAとクエン酸補給を行います。

行動食はやはりアミノバイタルのパーフェクトエナジーを4つ。キャップ付きではないコンパクトなゼリータイプの方を選択しました。これとは別に三浦屋さん出発時にひとつ摂取。スタート用のパワー注入。

6時40分くらいに三浦屋さんを出発。スタート地点までは時間に余裕のある20km組みの二人と歩いて行きました。

いつもよりもゆっくりだったとはいえ、スタート順が相当後ろになりました。これはスタートしてもしばらく動けないんじゃない?ってくらいには後ろ。さすがに後ろ過ぎたかなと思うものの、のんびり走ろう!完走しよう!が目標なのでよしとします。

列の後ろに自転車を並べたら、サイコンのスイッチを入れて、グローブはめて、アイウェアをして。いよいよだなーと思ったら遠くから聞こえる「ぷぁーーん」の音。もうスタートのようです。

天候は薄曇り。数日前から雨予報だった王滝村。マウンテンバイカーなら雨でもへっちゃらみたいなイメージはあるものの、度を越した荒天はさすがに危険なのでほどほどであって欲しい。結局、晴れ男がふたりもいたせいか天候は思ったほど崩れずに、走るにはちょうどいいくらいの10度前後の気温となりました。

ウインドブレーカーを着てスタートしたことも過去にはありましたが、この気温なら走り始めたら暑くなるとわかっていたので、おたふく手袋の冷感長袖インナーの上に半袖のサイクルジャージを着用。昨年と同じ双龍ちゃんジャージでした。三浦屋さんからスタート地点まで歩いていったこともあってか、特に肌寒いということもなく快適なままにスタートできました。

42kmスタート位置は遠く

さて、7時ちょうどに鳴らされたいつものホーンの音が遠くで聞こえてからも待機列は進みません。まわりがやっとスタートしたんじゃない?って囁き合う程度。寝かしておいた自転車を立てたところでようやく列前方に動きが出てきます。乗車する人はまばらで、自転車を押しながら少しずつ前に進みます。スタートから2分くらい経っていたかもしれないくらいタイミングで乗車し、パレード走行となりました。

レースで上位を狙いたければスタート位置も前の方にするべきでしょう。1時間以上前には自転車並べないと話にならないでしょうね。

SDA Otaki 42km complete

2019年は後半に通る鈴ケ沢に抜ける道の状態がよくなかったそうで氷ケ瀬がゴールとなりました。2017年と比べると前半はほぼ一緒で、後半は2018年も走った水交園やキャンプ場に至る舗装路を進んで林道に入るルート。ちょうどふたコブになっているのでのぼってくだって、のぼってくだってのコースとなりました。

のぼりひとつ目

スタートラインを過ぎたら滝越地区内をパレードラン。三浦屋前を通過して滝越地区の入り口付近まで行ってから再びスタート地点方面に向かいます。ルートは、一本道の舗装路となっており、王滝川上流にある三浦ダムと三浦貯水池に向かってゆるいのぼりとなります。

おおむねパレードランが終わるくらいまでは自転車の密度が高く、すいすいと抜いていくわけにもいきません。焦らずのんびり走る事にしました。10分もすると霧雨のようなミストも感じられ、このままお天気悪くなるの?と思いながらもペダルを回します。

ある程度バラけてきたところで、サイコンで自分の体調などを確認しはじめます。ケイデンスは概ね90から100くらいを目指します。心拍は140オーバー。いきなり負荷がかかっているようです。緊張しているのか?それとも実は寝不足だった?それほど身体は重くないのでクルクルまわして登る事にします。

そしてやってくる、あの暗いトンネル。

もともと鉄道が走っていたトンネルのためレールのあった部分に蓋がされており、バラスト軌道のようにレール脇には石が敷き詰められたようになっています。

前が詰まると足をつかざるをえない訳ですが、足をつく場所がちょうど低く掘れたようになっており、しかも石が敷かれているから落車してしまう訳です。十分に車間をとれば落ち着いて足をつけると思いますが、早く抜けたいと焦るほどに余裕がない動きになっているような気もします。

で。この真っ暗トンネルは一度平らになるんですよ。あぁ、へんなの終わったと思ったら、またあるのでもう一度落車する危機がやってきます。

焦らず車間をあけて走れば、まったく危なくないはずなんですがね。

トンネルを抜けたあともゆるゆるとのぼりが続きます。トンネルをもう一つクリアしたくらいでいよいよ未舗装路に突入です。

林道に入る

貯水池手前までの未舗装路突入地点まではスタートから45分ほどを目指しておりました。おおむね予定時間通りの7時45分ほどで到着。そして早めの補給ということでアミノバイタル摂取。

まずはひとつめの頂上を目指します。

斜度は極端にありませんが、少しだけ石ころは大きいかもしれません。おおむねコブシくらいの大きさのがゴロゴロ。でも2017年に走った時よりも少ないというか整備されている印象です。前回は神社の石砂利みたいに尖っていたような……。目が慣れただけかなあ。

途中、なんどか写真撮影スポットもありました。時間を争わない人たちしか残っていませんので、お互いにカメラで撮影しあってみたり。お天気が今ひとつなのは残念ですが、暑くて汗ダラダラになるよりは良かったのかと思います。

さて、ギアの選択について。

舗装路まではフロント32tのままのぼってきました。高めのケイデンスを維持してのぼってきましたが、未舗装路突入の時点で確認したらあと1枚しかリアのギアがない。すでにギリギリいっぱいまで使っていた模様。意地をはって粘る必要もないので、未舗装路突入の時点でフロントチェーンリングをインナーに手動変速。

フロント24tの状態だとおおむね2枚くらい残した感じで登ることができました。なにせ走り始めてそれほど時間も距離も経っていない。引き続きケイデンス高めでクリアしていくことを心がけました。

スピードはまったくでないけれど登れます。進まなくてバランスが取れなくなるほどじゃないのが良かったようです。フレームのジオメトリーもアドベンチャーバイクだけあって安定感があるので相性も良かったのかな。ケイデンス100近くを維持したままのぼりました。

そして、びっくりなのが思いの外テイクオーバーさせていただいたこと。軽いギアでひたすらクランクを回しているので、ちょっとした難所でもスピードが落ちません。手こずっている横をするすると走ることができました。このあたりは29インチホイールの恩恵でしょうか。

ガレまくりということはなかったと思いますが、ぼちぼち石が転がる斜面を登ることしばし、ようやくで頂上到達します。時間はスタートから1時間30分ほど。これも予定通りくらい。心なしか前回走った時よりも簡単に登れた気がします。経過時間考えると有意な差はありませんが、スナップを撮りながらのんびりのぼってきたつもりなので余裕はあるはず。ひとつめの頂上は軽くくだってまたのぼりという形状なので最後ののぼりまで気を抜かずにクリアします。

頂上近くには100kmと合流する地点があるのでいよいよ降りが近いをわかります。

サスペンションのロックアウトを解除して、身体をほぐしながらダウンヒルに備えます。ハードテイルでダウンヒルって緊張すればするほど身体がくたびれますものね。リラックス大事。

あー、今年は全然ラクだー。降りも余裕があるもの。スピード出していないのにぼちぼち抜かないといけないとは。気持ちの余裕があるんだなあ。

なんて考えていたのは数分の話で、滝越地区のスタート地点まで戻る頃には、腕痛いwwwでもw気持ちいいwwwみたいな感じになっておりました。

スタート地点には20kmに出場するため待機している二人。線路跡からぐるりと回り込んで、20kmスタート待ちする二人の前を通過して二つ目の頂上を目指してのぼり始めます。

ここまでの経過時間は約2時間。午前9時くらい。これも予定通りくらい。4時間ほどでの完走ペースで考えていたので、半分の工程を2時間ならちょうどいい感じです。

のぼりふたつ目

スタート地点を通り過ぎると、宿泊した三浦屋さんの前から右折して、水交園・森きちキャンプ場の前を通過します。このあたりは小川が流れていて釣りスポットになっています。入漁のチケット購入で釣りが楽しめます。

ここから4kmほどの舗装路をのぼっていきます。前回、2018年5月のSDA王滝では42kmおよび20kmのスタートでもコースとなった場所で、土地勘があり……ます。

いや、なんとなくの記憶だったので、前日の説明会が終わった跡、三浦屋さんに入る前にちょっと林道を走って確認しておきました。キャンプ場まではゆるやかにのぼり、ところどころ舗装の悪くなっているところがあり、斜度の急な箇所が出てくると、白い欄干の橋に到達。さらにそこからチェックポイントまでは1.5kmくらいで到達。チェックポイント手前で設置されているパイロンなど。

前日にみておくと斜度が楽に感じられてきます。ああ、ここまで来たかと思いながらクランクを回し、あれ、もうここ?とチェックポイントに到達。先の見えないのぼりがどれだけ足を削るのかを実感します。

ほんと、事前のインスペクションの効果たるや絶大です。

チェックポイント

チェックポイントには9時20分ころに到着しました。3時間30分の制限時間にたいして2時間20分ですから相当に余裕。コース条件が一緒ではないとはいえ、前回は時間切れでDNFになったポイントまで到達。非常に感慨深いです。

ここから先は未舗装路ののぼり区間に入るので、行動食を口にしてパワーを充填します。それほど疲れを感じていないのでスマホで写真を撮ったら出発です。そろそろ9時30分。20km組のスタート時間。元気よく登れるとは限らないのでぼちぼち追いつかれることを期待しつつ後半戦を再開します。

チェックポイントを後にするとすぐに未舗装路がありました。そして、ものすごい斜度。今回のコースで一番斜度があるんじゃないかと思うくらいの急斜面。焦らず大外まわりを心がけますが、それでも急。24tx46tを採用していたおかげで乗車してクリアできましたが、フロントシングルの中途半端なギアだと登れないかも……。去年の自分なら無理だろうなあと思います。

ゴツゴツした石ころもあちこちに転がり、王滝らしい道になってきました。ただ、愕然とするような岩ではなくて、コブシサイズくらいの石ころなので、絶望感はありません。ようし!この斜面乗り越えてやる!そんな感じでのぼっていけました。

つまり、 楽しい のです。

42kmふたつめのぼり3

急な斜面はチェックポイント後のしばらくの区間で、進んでいくと斜度は落ち着いていきます。事前に終わったかと思うと続く坂とは聞いていましたが、それほどでもない感じ。

クルクルとクランクを回し続けていけばのぼっていけます。あちこち景色を眺めながら晴れたら気持ちいいに違いないとキョロキョロ走っておりました。

そうしてしばらく走っていると後ろから声がかかります。大学時代の先輩が早速追いついてきました。さすがに20kmトップグループと一緒ではありませんが、ぼちぼちの快速。ひとしきり路面状況など情報共有しつつ健闘を祈りつつ見送ります。

そこから数分遅れで、今回初参加の先輩のお友達も追いついてきました。まだまだ元気いっぱい。そしてニコニコ顔。完全に王滝にはまってしまっている模様です。記録目指してドンドンいってくださーいとお見送り。

余力はまだあるけれど、慎重に進めたい僕としてはゆるゆるとのぼりを続けました。

20kmの人に抜かれちゃったーと思いながらも、楽しくのぼっていると斜度が緩んできました。ということはもう一度のぼりが来るのか?と進むもほぼ平坦になり、そのままくだっていく様子。あれ?もう頂上なの?という感じ。

くだりはじめて思ったのは、体力温存しすぎた!のひとこと。確かにサイコンの距離表示は30km近くにはなっているけれど、あっという間すぎませんかね?残り10kmも本当にくだりなの?と疑心暗鬼になってきます。

でも、のぼりはもう現れず。

数分もくだり始めれば、疑うこともなくなりました。ラインを読みながらひたすらに走るのみです。事前の説明会では砂の乗った滑りやすい斜面ということだったんですが、適度に踏み固められた走りやすい道という感じ。あれ?難所はこの先かな?もう少し?みたいな感じでどんどんくだっていきます。

ドロッパーシートポストを使っていないので、サドルは高い位置のまま。もう少しだけ腰を後ろに下げたかったけれど、あまりに長いくだりだと座ったり立ったり、腿で挟んだりなのでこのままでも結果オーライな感じでした。

しかし、くだりが長かった。手が痺れるかもとは言われていたけれど、どちらかというと飽きてくるくらいの長さ。集中力を切らすわけにはいかないので、フィジカルよりもコンセントレーション競技な気分になりました。

あと5km、あと3kmと斜度が変わるたびに残り距離を確認。あと2kmほどになったところで見覚えのあるジャージを発見します。先行していた先輩のお友達です。

道の開けたところで右からパス。ちょっとだけ王滝先輩の意地をみせるべく抜きます。

と思ったらくだりが終了。まさかの緩いのぼりになるので必死のペダリング開始。後ろについてきているのを確認しつつ、ゴール近いですよ!漕ぎましょ!漕ぎましょ!と言葉を交わす。

そしてくだりの先に見えてきたゴール地点。スローダウンの表示にスピードを落とすもゴールはちょっと先じゃない!ともうひと漕ぎをしてからゴール!

ことしもゴールでろくなポーズをとらずに終えました。

SDA王滝42km完走

ゴールには先行していた先輩がカメラを構えていてくれましたが、シャッターチャンスを逃した模様。撮れなかったーとの訴えを聞いている間に先輩友人もゴール。さらに撮れなかったーという感じに。

ゴールから少し離れたところで3人自転車をまとめて身支度の確認。楽しかった!と感想を口々に話しながらゴール前の記念撮影を代わる代わる行いました。

3年目にして42km完走を達成しました。

到着は11時すぎと4時間と少しで完走しました。サイコンの時間は3時間40分くらいなので20分くらいは停まって休憩したり写真を撮っていたように思います。こんなことなら4時間切るくらいには調整しておけばよかったかも。でも完走と景色を楽しむのが目標だったので大満足ですね。

参加するたびに、余裕がでてきたように思います。はじめはひとり参加で経験談を伺うようなMTB乗りもおらず、情報皆無で参加。今年はコース対策もバッチリあたまにいれてたこともあり、終始落ち着いて対応できました。

苦しいという場面はほとんどなくて、終始たのしい!の連続だったように思います。42kmってこんなに楽しかったのか!

滝越地区に移動1

ゴール付近でのんびりしているわけにもいきませんので、滝越地区に戻ります。氷ケ瀬から滝越までは10km弱でしょうか。レース後のダウン代わりとばかりに景色を楽しみながら自転車を進めます。緩やかにのぼりですが気持ちい。松原スポーツ公園から滝越地区までレース前に走るのとレース後に走るのではレース後が断然いいですね。

途中の自然湖で一同写真撮影。去年も撮りましたがやりきった感がとても感じられる瞬間です。

さらに進めば滝越地区。レース後の高揚した気分もあってか近いものです。この自然を満喫してる!という充実感こそ最高のご褒美ですね。

三浦屋についたら、自転車の簡単な清掃と積み込み。そのあとはお風呂をいただきます。こうしてイベント後もご厄介になれるので非常にありがたいです。

13時すぎ、着替えを済ませて三浦屋さんを後にします。

そのまま王滝村をあとにしようと考えていましたが、気が変わって松原スポーツ公園に立ち寄り。ちょうど表彰式をやっていました。なんとなしに眺めた後はテントで振舞われていた豚汁をいただきました。

この豚汁。疲れた身体に染み入るような塩加減。生き返ります。こんなご飯がおいしくていいの?というくらいの美味しさです。これ毎年いただかなきゃもったいないかも。

14時近くに松原スポーツ公園を出発。ここから蓼科に向かいました。そのまま中央道では渋滞に巻き込まれますので、蓼科に一泊します。

のんびり走って17時ころにエクシブ蓼科に到着。去年もいましたがこのあたり鹿がウロウロしています。去年はツノが立派な大きな鹿でしたが、今年は小鹿。可愛らしい。

エクシブ蓼科

今回は3人で宿泊なのでラージルームを選択。ひろびろくつろげるので、温泉入って、イタリアンのコースをいただき、お酒を少し。

いい気分でSDA王滝の楽しかったことを何度も語り、来年は何キロか?自転車はどうする?そんな話題で盛り上がりました。

翌日、月曜日は雨に降られるものの順調に都心に帰還。午後いちには帰宅となりました。

つぎに目指すSDA王滝

チェーンステーに傷

面倒になる前に洗車だけは済ませます。SDA王滝を走っていて気になっていたんですよ。チェーンステーを叩く音。フロント24tにして、リアと11tとかにすればチェーンがたるむのは致し方ない。スタビライザーがついてたって限界があります。カンカンいってましたからね。透明のガードテープの下にある塗装を少し削ってますね。金属の地肌まではいってないかも。

出走前に何か巻いておこうと思いながらもサボってましたから当たり前の結末。でも、マウンテンバイクなんだもの。こういうキズは勲章ってことでよしとしましょう。

出走前におこなった29er化、フロントダブル化は想定した通りで非常に良い結果に繋げることができました。それとサドルの前を下げたのも適切だったようです。のぼりが非常に楽でした。

のぼりでサドル前方に腰掛ければいいだけのことですが、安定しない前座りよりもあきらかに楽です。また前を下げることにより、シートポストをさらに伸ばして、脚の回転運動が楽になりました。ハンドルとサドルが近く感じてしまった前回よりも懐のあたりに余裕ができましたのでこれも良好。次回以降も絶対採用です。

JamisのDragonslayerで取り組むSDA王滝としてはひとつの答えは出せたんじゃなかろうかと感じております。これ以上を望むならカーボンフルサスにシフトするしかないかなあ。100km完走まではDragonslayerで頑張ろうかな。いまのところタイム狙いじゃないですからね。

新しいXTとSLXが発表されたから、ふたたびフロントシングルにしてみるのもよいのかな。28tx51tくらいならかなり近いギア比は確保できそう。

いずれにしてもフィジカルの強化。日々の走り込みこそ大事だなと思うのでした。つぎは100kmかな。